以下、童心社HPより。
あかちゃんだからこそ美しい日本語と最高の絵を
松谷みよ子
1967年刊行当時、乳児向けの絵本は皆無に等しい時代でした。「本気で取り組んだあかちゃんの絵本が必要だ」と思いました。「あかちゃんなんかに絵本が分かるわけがない」大人たちはそう思っていたんです。でも実際にあかちゃんを育ててみると違うのです。あかちゃんにも人間ドラマがあります。
まず信頼することが大事。「あかちゃんのための文学を書こう」そう決意して、手探りで書いた第1作目が「いないいないばあ」です。瀬川康男さんが、とてもいい絵を描いて下さいました。病院に入院して泣いている生後10ヶ月のあかちゃんに1歳半の子が、「なん なん ばあ」と絵本を読み聞かせました。すると、泣きやんでケラケラと笑ったんです。絵本の力を確信しました。
この、あかちゃんが笑う本、にゃあにゃやくまちゃん、動物さんたちが「いないいないばあ」してくれます。
私、いい加減いい歳した独居生活者。
時折ページを捲ってはクスっとしてます。
■『いない いない ばあ』松谷みよ子・文 瀬川康男・絵